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投資のこと

手法マニアになってません?多分それ遠回りです。

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今日は自分への戒めも兼ねてトレード手法の選択について書いてみようと思います。
 
今でこそ株でショボショボ少額で修行を積んでいる最中の私ですが、一応これでも為替は10年くらい前から続けていて、たった一つの方法論で10万円から1000万円近くにまで資産を増やし続けてきたという実績があるわけです。
 

 

ただ、一応リスクを殺しながらとは言え「FXを始めて数年で億り人!」みたいなツワモノさん達と比べると本格的に稼げるようになるまでに自分自身やっぱり「随分遠回りしてたなぁ・・・」という気持ちもあるんですよ。
そして、今振り返るとその遠回りの原因の一つが「手法浮気性」にあると思ったわけです。

 

右も左も分からずFXのトレードを始めた頃はたまたま手にした本に移動平均線の解説が詳しく載っていた事もあって、とりあえず短期線と長期戦のクロスで売買を繰り返すというシンプルなトレードをしてました。
 
移動平均線のクロスで仕掛けるっていうルールはそれ単体ではずっと勝ち続ける事は厳しいものの値動きの転換点を捉えるという意味ではさほど悪い手法でもなく、当時も地合いに左右されながら勝ったり負けたりを繰り返していた記憶があります。
 
最初はおっかなびっくりで始めたトレードに慣れが出てくると当然心情的にはもう少し儲けたいとか、もう少し損を減らしたいとかそういう気持ちが出てくるわけで。この気持ちが脱初心者の第一歩目という事になるんでしょうね。
 
ところが一部の天才トレーダーを除いてここから多くの迷える子羊が生まれ始めます。
なにせトレード手法というものはもうそれこそ星の数ほどあるわけで。
例えばFXWorksというトレード手法を集めているサイトなんかは掲載されている手法の数だけでも700を超えてきます。
 
もちろんこういったトレード手法を集めているサイトはFxWorksの他にも山ほどあるし個人トレーダーのブログや書籍、海外サイトや2ちゃんの投資板、さらには自動のトレードシステムなんかも含めるともうそれはそれは膨大な量のトレード手法がこの世に存在するという事になるわけですよ。
 
往々にして初心者はこういった手法群の中から最も儲けが期待できそうな手法の探索に励むことになるんですが・・・。
過去の値動きに手法を照らし合わせ「ここでは勝った」「ここは負けるな」と自分なりにバックテストしてみたり、中には実際に本番資金でトレードしてみたりしてその有用性を確かめようとする人もいるでしょうね。
 
結果としてはまあそのほとんどがうまくいかないわけです。
中にはある程度いいセンいってる手法もあるとは思うけどもやはりそこは相場初心者の常という事でいつの間にか常勝無敗のいわゆる「聖杯探し」に明け暮れるようになっていってしまうんですねこれが。
 
余談ですが知り合いにものすごーく経済のことに詳しくてFXや最近は仮想通貨の業界ニュースに敏感で取引手法の知識も驚くほど持っている方がいるんですがその方は10年前からちっとも資産が増えてません。
その方のトレードの全てを知っているわけではありませんが話を聞く限りではネットや本で得た取引手法を一週間くらいのスパンで試してみて成果が出なかったらまた次の手法に・・・という事を繰り返しているようです。
まるで昔の自分を見てるようで、むず痒いような何とも言えない気持ちになってしまいます。
 
面と向かってダイレクトに本人には言えませんがトレードで利益を出せるようになった今ではこういったトレードの探求のやり方には非常に疑問を覚えるわけです。
実践的ではないというか頭でっかちというか。
ある程度の長い期間実弾でトレードをしてみて得られる知見もあるだろうに勿体無いなぁと感じるわけです。
まあこの方は結構極端なタイプの「手法マニア」ではあると思うんですけどね。
 
ただ、ここまで極端でなくとも同じような傾向がある人割と多いと思うんですよね。
取っ替え引っ替え手法を試してみたり、ほんの数回の失敗で「こりゃダメだ」と投げ捨ててしまったりという人。私自身もそうでしたし。
そういう人は知識に比べて実際のトレード経験値が低すぎてるが故に得てして利益に結びつかないもんなんです。
 

ではこういった手法マニアにならないためにはどうすればいいか?

まずはごちゃごちゃとした頭を整理することから始めましょう。
突き詰めるとトレードの方法論なんて弱気を買う逆張りか強気を買う順張りかしかないんですよ
そこで手元にある数々の手法を大雑把にでもいいから順張りか逆張りかに分別してみるといいです。
 
で、順張り逆張りの2グループに分かれた手法の中から今度は次の条件をクリアするものを残してあとは捨てていく。
  • 画面に表示するラインやオシレーターの数が少ないもの
  • 明確に損切りラインが定義できるもの
  • ポジションの保有時間が長すぎず短すぎず程よいもの
 この条件でフィルタリングするのには理由があるんです。
 
初心者はなるべく多く場数を踏むことが上達への近道なんだけど、だからといっていきなり瞬間的な判断力を必要とするスキャルピングに手を出すのはハードモードすぎる。
そこで1日2〜3回程度ポジションを保有するチャンスがあるかな?という手法を選択するわけです。
これだったら一年間くらいを通して考えてみても少なくない経験を積むことができますからね。
 
ただ、いくら場数を踏めるといっても資金が尽きてしまったらその時点でトレードそのものができなくなる。
だから明確に損切りラインを定義できるという条件が重要になるんですね。
これは自由裁量的に損切りをする。という手法じゃダメ。
ちゃんとトレード前に「これがこうなったら損切りしなければならない」というある種制約みたいなものを設けなければダメです。
 これには二つの目的があって、一つは単純に資金を守るため。
資金を守るということはトレードする権利を持ち続けるという事に繋がるから場数を踏むためにはこの損切りルールってのは絶対守らなければいけない。
もう一つの理由は感覚を麻痺させるため。
そりゃあ連戦連勝で、できれば損切りなんてしたくないけれども長くトレードをやっていく上では損切りってのは避けて通れない。
口で言うのは簡単だけど平静な気持ちで損切りするってのはやっぱ思ってる以上に難しいものなんだ。
 
個人的には損切りにも練習が必要だと思うんですよ。
「どこに損切りポイントを置くか」とかってテクニカルな要素だけじゃなく「平静に損切りをして何事もなかったかのように次のトレードに入れる」ようになること。
どちらかというと損切りという行為においてはこのメンタル面のコントロールの方が重要かなと。
 
これができるようになるにはもうやっぱり数をこなすしかない。
細かく損切って損切って損切りまくって感覚をできる限り麻痺させる。
ちょいと荒っぽいやり方ではあるけれどもいざと言う時に躊躇なくポジションを捨てることができるのは確実にトレーダーにとって強い武器になるのでね。
 
最後に重要なポイントとしては画面にあれもこれもと表示させすぎないこと。
ネットで見かける手法の中にはものすごい数のインジケーターを表示して「AとBとCとDがこうなってれば買い。ただしEがこうであれば見送り。」みたいな複雑怪奇な方法論を掲げてるものも少なくない。
 
極端な話チャートにはローソク足と移動平均線。あとは出来高がわかればそれだけで何もいらないと思う。
初めて行く道路で標識がごちゃごちゃあったら分かりにくいでしょ?
それと同じこと。
 
人間の脳ってのは面白いもんで視覚から入った情報は瞬時に意識の中に取り込んでしまう。本人の望む望まざるに関わらずね。
その時にインジケーターの数が多すぎるとつまりその分ノイズを多く取り込んでしまうって言うことに繋がるんですね。
 
そうすると本来ローソク足だけを見れば明らかに下落傾向にあるのに何故だか買いで入ってしまったとか。
後から見たら随分アホなことやってしまったな」的な行動が多くなってしまうんですよ。
だから上達のためには極力取り込む情報は必要最低限のものだけにしておいたほうがいいよ。と過去の自分も含め、手法マニアになりつつあるトレーダー達には伝えたい。
 
勘違いして欲しくないのは、オシレーターやフィボナッチなどの理論に優位性がないと言い切ってるわけじゃないこと。
これらを使いこなして利益をあげているトレーダーはもちろん多数いる。
 
ただ単純にこれらを使いこなすには相応の経験や見識が必要なんだ。
要は一見で使いこなせるほど簡単な道具は相場の世界には無いってこと。
相場の世界で道具を使うのなら長年寄り添った夫婦のように相手のことを知ることが必要になる。
どんな時に機嫌を損ねてどんな時に上機嫌で良質なシグナルを与えてくれるのかってのを経験として蓄積していく必要があるってことだね。
 
だからなるべく回り道せず最速でトレードの腕を磨くつもりならば表示させるのは移動平均線くらいにしといたほうが無難だよ。と思う。
移動平均線だけでも極めようと思えば相当な時間がかかるし奥が深いもんなんだから。
 

まとめ

自分の周りのトレーダーを見てみると資産をどんどん増やしていけるトレーダーほどシンプルなやり方で尚且つ一つか二つの手法のみを極めているという人が多い。
逆に負けているトレーダーはコロコロ手法を変えたりシステムを次から次に購入したり画面にたくさんインジケーターを表示させたりといった傾向が強いんだよね。
 
まあトレードのやり方は人それぞれなんだろうけどもやっぱり個人的には一つの武器を極限まで研ぎ澄ます人のほうが大きなチャンスをモノにできる可能性も高まると思ってる。
手法マニアになってしまっているかも・・・という人は一回割り切って情報を整理しつつ「どれか一つを極めに極める!」と腹をくくってみてはいかがでしょ?というお話でした。