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投資のこと

仮想通貨は投機対象となり得るのか?というかその前に言いたい事

仮想通貨に○万円ぶっ込んでみました!」だの、「ビッグウェーブに乗り遅れるな!」だの動画やTwitterで煽りまくってる連中を見ると、いかにも金持ちの周りに取り巻いておこぼれに預かろうとしてる感じがして吐き気がしてくる

 

特に騒動前にコインチェック煽ってた連中が今度はコインチェックを叩きながらbitflyerを猛プッシュし始める様は正に現代のゴールドラッシュって感じで趣すら感じられる。人間の業とはいつの時代も変わらんのだなと。
ホントに糞ブロガーや糞youtuberには自重してほしい

 

さて、コインチェック580億円分のNEM流出事件から数日。
ネム財団からの全面協力宣言とコインチェックからの顧客への返金措置が発表されたことで表面的には少しずつ落ち着きを見せはじめている一連の事件ですが、ここで今一度仮想通貨への投機というリスクについて、取引所という観点を中心に考えてみました。
実際に取引をしてみた感想も合わせて述べています。

 

結論から言うと仮想通貨という投機対象には魅力を感じますし、私がFXで利益を出している方法論も仮想通貨市場には一応通用しました。(試行回数が少ないので何とも言えない部分も多いですが)
しかしながら、諸々の理由から私は現状では仮想通貨への投機を続ける事は難しいだろうと感じています。
投資歴10年ほどのひよっこの所感ですが今後、仮想通貨でトレードを続けるべきか?と悩んでいる方(特に投機初心者)の参考になれば幸いです。

 

coincheck

今回の事件の被害者であり反面、必要なセキュリティ施策を怠ったということで加害者でもあると言えます。
そもそも今回の事件、何が原因でどうしてこんな事になってしまったのかという事は既に多数のブログで詳しく解説されていますのでここでは割愛しますが、一言で言うと超多額の金融資産を預かる上で非常に初歩的な施策がなされていなかったと言うことに尽きると思います。
日本の証券・先物取引業の雄であるSBIホールディングスの北尾社長曰く「インチェックはカス」とのことで少々言葉は荒いですが、この認識は別にこの社長特有の個人的な感覚ではなくて多くの証券企業でも同じような認識を持たれているのではないでしょうか。

moneyforward.com



個人的に問題だと思うのはやはり必要な人材が圧倒的に不足している状態でサービスを拡大させていた事でしょう。
抱える顧客が大きくなればなるほど自身の体力=(技術力、信用力)もつけなければいけないところプロモーションに熱を入れすぎて結果、自重で潰れてしまったという印象です。


一度こういう問題が起こると必ず「次からはより一層気をつけるはずだから他のところよりむしろ大丈夫」といったような根拠のない楽観論が見受けられるようになりますが、これは全くアテになりません。
インチェックは今回の件で資金的にも企業イメージ的にも相当な大打撃を受けたはずです。
今後もし同じようなことが起こったときにまた都合よく持ちこたえられるかは保証がありません。
(そもそも今回の4百数十億の返金も確実になされるとはまだ言い難い状況ですが・・・)
むしろ、追撃的にまた何かしらの問題ごとが起こればこれはもうほぼ確実に破綻でしょう。
そしてその場合には預けている現金は戻ってこないか、戻ってくるにしても相当目減りした額が戻ってくることになります。
(FXの場合は昔、取引会社が破綻して預けたお金の5%しか戻ってこなかったといった事もありましたねぇそう言えば。)
そんなリスクを抱えている取引所を自ら進んで利用しようという行為はとてもじゃないですが賢い行為とは言えないでしょう。


bitflyer

とにかくトレード環境が悪すぎるという印象です。
私自身、仮想通貨の投機を検討している段階でメインとしていた取引所ですがサーバー落ちの頻度が半端ないです。
かろうじて取引システムに繋がるとしても異常なくらいに重く、成行でのトレードはまずうまく行きません。
かなりゆったり目にレートを見てエントリーや手仕舞いのポイントを見る必要があります。
この時点でスキャルピングなどの短期トレードは不可能です。

何より私が不安を感じたのは出金に関するあるトラブルでした。
bitflyerでの出金操作において二段階認証を設定している場合、通常であれば出金操作をすれば即座に出金用のコードが登録メールアドレスに送信されてきます。
このコードをサイトから入力する事で最終的に出金の申請まで漕ぎ着けるわけですが・・・。

ところがこの記事を書いている午前中、資金を引き上げるために出金操作を行ったのですが出金に必要なコードが一向に送られてきません
まあ金額は3万円と少額なので冷や汗を書くような額でもないのですがこれは由々しき事態です。
直接問い合わせをしてみますが、今現在サポートからの返信はありません。
(自動送信で問い合わせを受け付けましたメールくらいは送っても良さそうなものですが・・・)

まあ流石にこのまま音沙汰なしという事は考えにくいですが、金融関係のサービスにおいて出金が事実上不可能になる状況というのは非常に感触が悪いです。
そしてこの件がtwitterなどで公式にアナウンスされているわけでもないので特に大事とは思っていないようですね。
まあこの件は生暖かく今後の経過を見ていきたいと思います。

zaif

zaifは前の2社と比べると比較的安定しているサービスのように思えます。
が、やはりzaifも定期的にセキュリティリスクを疑わざるを得ないやらかしをしています。
インチェックの被害額がデカすぎてすぐに風化してしまいそうですが、直近でもapiキーというものを利用した不正取引や不正出金の被害が出ていますし、今回はたまたまコインチェックが被害にあってしまったが、そもそものセキュリティレベルはコインチェックとzaifはそう変わらないんじゃないか?という声もちらほら出てきているようです。


gmoコイン

去年の段階で口座開設を申し込みましたが2月現在音沙汰なしです。
申込者多数のため口座開設が遅れるとはアナウンスされていましたがここまでとは・・・。
そのくせコンテンツのプロモーションメールはしっかり送られてきます。
まあGMOらしいっちゃGMOらしいですが。
しかしここまで口座開設が遅れるのは管理体制がまだ十分に整っていないということを邪推せずにはいられません。
という事で取引ツールに関してはまだ触れていないのでどうにも判断ができませんでした。

あんまり気が進まねえなあというまとめ

個人的には国内の主な取引所それぞれでそれぞれのリスクが見え隠れする状況だと感じています。
今回たまたまコインチェックがババを引いただけで同様の被害を被る可能性はどの取引所でもあり得るだろうなぁ・・・といったところですね。

各社ともいち早く市場を拡大して先行者としての地位を確立しシェアを牛耳ってしまおうという意思が感じられ、その結果顧客へのサポートや取引環境の向上は優先度が低くなってしまってるのかもしれません。
あるいは技術者の数が絶対的に不足しているという事も一因として挙げられます。

さて、今現在の仮想通貨を取り巻く環境を鑑みての結論ですが個人的には仮想通貨を投機対象とすることはあまり気が進みません。
それは仮想通貨市場の問題というよりもそれらを取り巻く環境的な要因が大きいです。
仮想通貨のボラティリティは特に短期的な投機対象として魅力的ではありますが、環境がどうにも追いついていません。

そもそも投資・投機とはリスクを取ってリターンを得るという行為です。
ここで言うところのリスクとは市場の変動リスクのことですが、ポジションを持った時点でその変動リスクを取ることになるのにそれに加えて更に取引所のリスクをトレーダーが自ら抱えようとする事は理解に苦しみます。

変動リスクを取った上で更に取引環境リスクを取るというのならば止めはしませんが、
他の投資商品であれば本来抑えられるはずのリスクを進んで取っているということだけは覚えておいて損はないかと思います。